“心と体と地球に優しい”生き方を
地球環境問題が取り沙汰されてから久しく経ちましたが、「私たちの毎日の食事」と「地球環境問題」が大いに関係しているという事実をご存じでしょうか。
今回は、そんな“食事と地球環境問題”について、「生長の家自然の恵みフェスタ2017」の“食と環境”部門の様子を紹介しながら、皆様とともに考えていきたいと思います。
すべては自然からのおくりもの。次は私から。
去る2017年10月21日~22日にかけて、生長の家森の中のオフィスにおいて「生長の家自然の恵みフェスタ2017」が開催されました。
同フェスタのコンセプトは、私たちを生かしてくれている“自然の恵み”を味わい、自然の恵みに感謝するとともに、その感謝の気持ちを様々な方法で表現することです。
私たちの身の回りの「ありとあらゆるもの」はすべて、自然の恵み、自然からのおくりもの。
その恵みや恩恵に感謝して大切に使わせていただきながら、地球環境問題が深刻化している現代において、次は私たち人間のほうから、自然界に対してお返しする生き方をしていきたい。
そんな思いで、同フェスタは開催されました。
同フェスタの“食と環境”部門では、食の屋台や動画の上映会、有機農家によるトークイベント、オーガニック野菜の販売など、様々な展示がフェスタを彩ってくれました。
自然にも人にもやさしい食の屋台
食の屋台では、オフィスのメンバーによる「ほうれん草のポタージュ」や「みそポテト」、「ジャージャー麺」、「きのこのサンラータン」、「こだわりポテトチップス」のほか、地元の人気店から多数出店していただき、「タコライス」や「パン」、「キッシュ」「ベジチャウダー」「八ヶ岳湧水マスのマリネ」「お寿司」などが販売されました。
どのお店も食材にこだわり、地産地消(その土地で採れたものを食べること)、旬産旬消(旬のものを食べること)を心がけ、肉も一切使用していません。
遠くの土地で採れたものを食べると、野菜の搬送で多くの二酸化炭素が排出され、地球環境問題を悪化させるだけでなく、地域の農業などの衰退化を招いてしまいます。
また、その季節に本来ない食材を食べるためには、ビニールハウス栽培による多くの化石燃料が必要で、地球環境にダメージを与えるばかりか、旬の野菜が何かも分からないような人々を増やすことにつながってしまうのです。
さらに、肉食をすることには、下記にまとめたような様々な問題があります。
肉食をすることの問題
肉食が招く問題の1つ目は、地球環境問題に関することです。
現在、牛や豚を大量に育てるための放牧地拡大によって、世界各地で森林伐採などの環境破壊が進んでおり、食肉産業から排出される大量の二酸化炭素は、地球温暖化の促進や気候変動などを招いています。
2つ目は、飢餓の問題です。地球で育てられている穀物の多くが家畜のえさ(飼料穀物)となり、その穀物で育った家畜を豊かな先進国の人々が食べる一方で、世界では多くの人々が飢えに苦しんでいます。
地球上には、すべての人々が食べられるだけの穀物があるにも関わらず、うまく行き渡っていないために飢餓が拡大しているのです。
3つ目は、いのちある動物を理不尽かつ大量に殺生するという倫理的な問題。
4つ目は、食肉産業で乱用される抗生物質や、薬物等の間接的摂取による健康被害などの問題があります。
このように、「お肉を食べる」ことの背景には、実にさまざまな問題があるため、私たちはできるだけお肉を食べない、「ノーミート」の食生活をおすすめしています。
今回出店いただいた業者の皆様には、お肉を使わないおいしいお料理、パン、お菓子等を出品いただきましたが、どのお店の料理も本当においしくて、皆さん、食べるのに夢中でした。 また、調理の際に使用した熱電源は、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の排出量を考慮して、太陽光等のクリーンエネルギーを使った電気で調理しました。地元から出店してくださった皆様もご理解の上で、普段と異なる調理環境でご対応いただきました。
食器にもこだわる
さらに、屋台で使用するお皿は、すべて「NPO法人スペースふう」さんのリユース食器をレンタルしました。
どんなに地球環境に良い食材を選んでも、使い捨てのお皿に食材をのせて、イベント終了後に多くのゴミを出してしまうのではあまり意味がありません。
スペースふうさんは、「イベントで出るゴミを減らしたい」という主婦の目線から、全国で初めてリユース食器のレンタル事業をスタートさせた団体です。
「主催者」と「来場者」がイベントを楽しみながら、気持ちよく過ごすことができるため、全国各地で開催されるイベントで利用されています。
リユース食器を通して「ゴミの出ないイベント」、さらには「循環型社会」の実現を目指されており、このような取り組みがあることは、本当にありがたいことです。
皆様のご協力があって、同フェスタは開催できているのですね。
農業について考える
動画の上映会では、「有機農業が拓く地平-インド ティンバクトゥの挑戦」を上映しました。
この作品では、農業が経済至上主義にのみ込まれていった過程や、農薬や化学肥料の多用、大企業による種子の独占、加工食品の消費拡大などの問題点を描いています。
しかし、重たいだけのドキュメンタリーではなく、自然の偉大さや人々の大地への愛を感じることができ、未来に希望を与えてくれる作品です。機会があれば、ぜひ一度見ていただきたい映画です。
また、上映会のあとには、地元・北杜市の有機農業家である畑山貴宏(はたやま たかひろ)さんと、生長の家青年会員であり、有機農業家でもある西手一幹(にして かつき)さんによるトークイベントが行われました。
生長の家では、「SNIオーガニック菜園部」というグループがあり、野菜や穀物を有機農法で自ら栽培することに挑戦し、それらを収穫し食べることで、地域と季節に即した“自然の恵みの有難さ”を味わおうと呼び掛けています。
畑山さんは、過去にSNIオーガニック菜園部が主催したイベントの講師としてお越しいただいたこともあり、参加者からは大変わかりやすいと好評でした。
お二人のトークイベントで、普段は考えることが少ない農業について学ぶことができ、大変良い機会となりました。
展示スペースもにぎわう
展示スペースには、生長の家が取り組むノーミート(肉食をしないこと)の意義や、一汁一飯(いちじゅういっぱん)、生長の家が2015年から取り組んでいる「長坂子ども食堂」などの様子が展示されました。
また、会場のあちこちに「自然の恵み、いただきます」「いのちを大切にする食事、いかがですか?」の文字をちりばめました。
私たちの毎日の食事は、すべて自然からの恵みだということを改めて感じられるように。
そして、動物のいのちや、すべてのいのちを大切にして食事する方が増えてほしいという願いを込めました。
心と体と地球に優しい生き方を
以上の“食と環境”部門は、“心と体と地球に優しい”がキーワード。
地球環境に負荷をかけず、体に良い食事や生き方をすることは、私たちの心の幸せや元気にも影響し、それが地球上に住むすべての命の幸せにもつながります。
私たち生長の家は、今後も「食」の分野からのメッセージを発信して、地球環境問題の解決に取り組み、世界平和の実現に向けて取り組んでいきます。
※生長の家が無農薬・有機(オーガニック)栽培をおすすめする理由については、下記の記事で詳しく説明しています。
⇒オーガニック(有機)の家庭菜園で野菜や穀物を栽培しよう!
SNIオーガニック菜園部の紹介動画