地球温暖化対策が進まない場合のリスク
「地球の温度が今世紀中に2度上昇すれば、世界の人口が現在の6分の1以下(10億人)に減ってしまう!」
これは、私たち人類が地球温暖化対策をしないで、このままの生き方を続けた場合に起こる可能性の一つです。
みなさんは、そんな話を聞いたら、どう考え、どのように行動しますでしょうか?
Aさん:「そんなバカな話があるわけない。地球温暖化は嘘だ。」
Bさん:「ふーん。で?」
Cさん:「なんてこった。もう無理だ・・・。地球の終わりだ。地球温暖化対策なんてあきらめよう。」
Dさん:「なんとか対策しなきゃ!でも、どうしたらいいのでしょう。」
Eさん:「そうなんです!みなさんで地球温暖化対策に力を入れて、積極的に取り組んでいきましょう!」
冒頭の話への反応は、上記のように人それぞれで、さまざまな意見があると思います。大方の反応は、「本当かなぁ?」と疑問符が浮かんでいるのではないでしょうか。
もちろん、この話は「絶対にそうなる」ということではなく、対策しない場合の一つの可能性を示したものです。大げさに聞こえますが、決して誇張しているわけではありません。
「ガイア理論」で有名なジェームズ・ラブロック博士が、『New Scientist』(2009/1/24号)のインタビューに答えた話の一部なのです。(『森の中へ行く』P.112~)
地球温暖化対策が進まなければ、「世界人口が現在の6分の1以下になる」可能性がある。それくらい深刻化しているのが、地球温暖化の現状です。
以下、地球温暖化対策がこれまで以上に必要な理由と、私たちに必要な心がけについてまとめていきます。
地球温暖化の原因が「人間の活動」である可能性は95%以上
まず、Aさんのように、「そもそも、地球温暖化なんて嘘だ」という主張は後をたちません。
それもそのはず、インターネット上にはそういった情報が蔓延していますし、温暖化を否定する書籍もあるくらいです。
疑う人が出てくるのは、やむを得ないことでしょう。
しかしながら、読者の方のほとんどは、夏の尋常ではない暑さを体感し、温暖化の証拠を体で証明しているのが実際のところではないでしょうか。
世界中で気候変動による大雨や台風などの災害が頻繁化しており、海外では殺人的熱波で摂氏50度を超えるなど、「地球が何かおかしい」と分かるレベルまで到達しているのが、本当のところだと思うのです。
現在、世界中の国々で地球温暖化対策が行われているのには、それなりの理由があります。
その理由の大きなものは、ほとんどの科学者が地球温暖化を肯定しており、対策すべきだと警鐘を鳴らし続けていることにあります。
最も有名なものは、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)による報告書です。
IPCCとは、世界の科学者が発表するデータをまとめて、地球温暖化による気候変動についての報告をする組織です。
科学的な分析や気候変動を抑える地球温暖化対策について、まとめて報告しています。
この報告の根拠となるデータは毎年増え、分析内容がより正確になっていきます。
つまり、世界中の科学者が長年かけて分析した結果が、「IPCCの報告書」としてまとまっているわけです。
科学である以上、異論を唱える科学者は必ずいますが、IPCCの報告を覆すようなデータは現れていません。
そして、IPCCが報告した「気候変動の要因(地球温暖化の原因)」は、「人間の活動」とされています。
これは、下記の表のとおり、長期にわたる分析の積み重ねで結論づいたものです。
IPCCの報告書 | 公表年 | 人間活動が及ぼす温暖化への影響についての評価 |
---|---|---|
第1次報告書 | 1990年 | 「気温上昇を生じさせるだろう」人為起源の温室効果ガスは気候変化を生じさせる恐れがある。 |
第2次報告書 | 1995年 | 「影響が全地球の気候に表れている」識別可能な人為的影響が全球の気候に表れている。 |
第3次報告書 | 2001年 | 「可能性が高い」(66%以上) 過去50年に観測された温暖化の大部分は、温室効果ガスの濃度の増加によるものだった可能性が高い。 |
第4次報告書 | 2007年 | 「可能性が非常に高い」(90%以上) 温暖化には疑う余地がない。20世紀半ば以降の温暖化のほとんどは、人為起源の温室効果ガス濃度の増加による可能性が非常に高い。 |
第5次報告書 | 2013~14年 | 「可能性が極めて高い」(95%以上) 温暖化には疑う余地がない。20世紀半ば以降の温暖化の主な要因は、人間の影響の可能性が極めて高い。 |
環境省 IPCC第5次評価報告書の概要 -第1作業部会(自然科学的根拠)【2014年12月改訂】より
この表を見れば明らかなように、「温暖化には疑う余地がない」というのが世界中の科学者の結論となっています。さらに、その温暖化が人間の活動である確率は95~100%の確率であるということです。
この科学的な事実を覆すことができたら、ノーベル賞がもらえるような話かもしれません。はたして、これらの事実を前に、「地球温暖化は嘘で、対策なんてとらなくてよい」ということになりますでしょうか?
インターネットに蔓延している個人的な情報と、世界中の科学者が結論付けた報告書と、一体どちらの情報を信じるべきでしょうか?
答えは、書くまでもないことでしょう。
一人一人の対策が世界を変える〜地球温暖化の影響を防ごう〜
地球温暖化による気候変動が招く影響は、計り知れません。例をあげれば、以下のようなものが予想されています。
①気候変動による異常気象・自然災害の増加
②生態系が壊されて生物多様性が破壊される
③海面上昇による国土水没
④森林火災が増えて湿地が失われる
⑤干ばつ等による水や食糧不足
⑥伝染病や飢餓の拡大
⑥石油が枯渇して資源争奪戦争に発展する、等々。
上記のように様々な影響があり、現に世界中で地球温暖化を原因とする被害が起こり続けています。
大雨による洪水、台風の大型化と頻繁化、異常気象の増加など、事態は刻一刻と大変な状況になってきているのです。
地球上から絶滅する生物が増え、生物全体の存続が危うくなる。食べ物もなくなり、病が蔓延し、海面上昇で国土が水没して、もうあとは資源争いしかない…。そんな世の中になる可能性があるということです。
この現状を前にして、上記Bさんのように「だから何?」と知らないふりをして対策せずにいるのでは、生命についての理解が足りないばかりか、次世代の未来を奪っているようなものです。
私たちが地球温暖化対策に取り組んでいかなければ、ほぼ確実に将来への影響が出てきます。地球温暖化対策をせずに、子供や孫の世代に責任を押し付けるわけにはいかないのではないでしょうか。
また、Cさんのように「もうだめだ。」と悲観して、あきらめてもいられません。
これまで以上の対策は必要ですが、私たちが本気になって地球温暖化対策に取り組んでいけば、まだ間に合います。
一人の力だけでは解決しませんが、一人一人の対策の積み重ねで解決できるのが地球温暖化問題です。
では、一体どうしたらよいのでしょうか?
時代は新しい生き方を求めている〜新しい文明の構築を目指して〜
ここまでかなり危機的かつ悲観的な話で進めてきましたが、Dさんのように「なんとかしたい!」という方がたくさんいらっしゃいます。
また、Eさんのように、すでに対策に取り組んでいる方々も多いことでしょう。
これらはとても明るい兆しで、地球温暖化対策を通じて、平和を目指して世界が一つになる気運すら感じるくらいです。
わたしたちが地球を守ることで生物が守られ、人類の幸せにもつながっています。
これらの「なんとかしたい!」という心は、とても大切な心です。
地球の生命が危ない。その時に「なんとか対策したい!」と思う。
その声は、私たちに宿っている本心からの声といってもよいでしょう。
地球温暖化対策には、この問題への強い思いや信念が必要です。やみくもに取り組んでいても、問題の大きさにつぶれてしまうことでしょう。
また、人々の心境が高まらない限り、地球温暖化対策は進まず、本当の意味での解決は難しいのです。
このことが生長の家の環境方針には、以下のように書かれています。
今日、吾々人類に必要とされるものは、大自然の恩恵に感謝し、山も川も草も木も鉱物もエネルギーもすべて神の生命(イノチ)、仏の生命(イノチ)の現れであると拝み、それらと共に生かさせて頂くという宗教心である。この宗教心にもとづく生活の実践こそ地球環境問題を解決する鍵であると考える。
(生長の家の環境方針より引用)
「なんとかしたい!」という気持ちから、大自然への感謝と生命を拝む心境に気持ちが進めば、それは立派な宗教心となります。
その宗教心にもとづく生活の実践が「地球環境問題を解決する鍵」になるということです。
私たち生長の家青年会は、この「大自然への感謝と生命を礼拝する精神」を広げるために活動しております。
今の時代に求められている生き方は、このような生命を礼拝する心を養って、地球温暖化対策に力を入れる生き方。つまり、”自然と人間が大調和する生き方”です。
人間の活動が原因ならば、私たちが自然に対して恩恵を持ち、地球温暖化対策に力を入れて取り組んでいくことで、必ず解決していきます。
そして、私たち一人一人にできる地球温暖化対策は、ライフスタイルを転換していくことです。現状を考えると、生活を改善するのでは足りません。
これまでとは違う「地球を温暖化させない方向」に進み、”新しい文明”に転換していくことが求められています。
では、具体的にどのような対策が必要なのかについて、下記のページにまとめました。できることから取り組んでいただければ幸いです。
生長の家青年会は、新しい文明に向かって共に進む仲間をお待ちしています。
地球を大切にする心を養い、その心に基づいた生活を実践して、ともに地球温暖化対策に取り組んでまいりましょう。
地球温暖化問題解決のために行動したい
環境問題についてもう少し詳しく知りたい